「マーケティング」という言葉が普及した結果、うまく取り入れているな~と感じるお店が増えてきたと思う一方で、その仕組みをうまく動かすことができていないために、「もったいないな~」と感じることも多々あります。
例えば先日、ある美容室でカットしてきたのですが、その美容室は、リピートさせるための面白い仕掛けを周到に設置していたのですが、殆ど機能していませんでした。なぜなら、本来その仕掛けのスイッチを押す役割であるスタッフさんが、設置した仕掛けのスイッチを押さずに、完全にスルーしていたからです。
こういったケースの多くは、スタッフさんへの教育不足が原因です。教育不足というのは、「何のためにやるのか?」という目的と、「どうやって取り組むのか?」という具体的な手法の伝達が十分ではないということです。
いわゆる、「自分で考えろ!」というスタンスである場合、その目的を忘れ、”とりあえずやればいい”という感じで適当に行われるか、「別にやらなくてもいいんじゃない?」と勝手に判断されて、実行すらされないという結果に繋がることが多いようです。
WHY(なぜ)を追求しろ!
ビジネスの現場において、自分で考えて行動するということはとても大事なことなのですが、知識や経験がない人に、”それをやれ”というのは酷であると同時に、無謀でしかありません。むしろ、時給が発生していますので、その人が試行錯誤する時間が勿体ないです。ですから、知識や経験が浅いウチは、1から10まできちんと教えてあげることが大事です。しかも、その方が企業利益に直結します。
ただし、「1から10まで教えたから、さぁやってみよう!」とするのではなく、10まで教えた後に、相手がどれくらい理解したのかを確認することがとても重要です。簡単にいうと、WHY(なぜ)の質問をして、きちんと相手が答えられるか?を確認するのです。
なぜ、それをする必用があるの?
なぜ、作業手順がそうなっているの?
なぜ、そのタイミングでそのセリフをいうの?
というように、教えたことの本質を理解しているのか?を質問することで、相手の理解度をチェックすることです。そうすることで、相手が本当に理解しているのか?を確認することができます。
「言われたことをやればいい」ではダメ。
とくに、最近の子は「いわれたことをやる」ということはできるのですが、その本質を理解していないので、「言われていないことは、やらない」という人も多いようです。
例えば、私が予約して、初めてある美容室に入店した時、誰も対応にやってこなかったので、2分くらい、スタッフさんにチラ見されながら、たったまま待たされるという経験をしました(苦笑)これは、お客さまが来店したのがわかっても、「お客さまが来店した時には、すぐに受付対応すること」と指示されていないし、「自分は違う仕事をしているから、自分は対応しなくても構わない」という考えが見て取れます。
これも、入店してきたお客さまへの接客に関してWHYを追求し、きちんと理解されていたなら、「あ、誰も対応に行かないみたいだから、すぐにお客さまの対応にいかなきゃ!」と思い、自分の仕事をいったん止めてでも対応に行くという行動をしていたと思いますからね。
最初は、たまたまタイミングが悪かったのかな~くらいに捉えていたのですが、後に、他にもいろいろと”やらかしてくれた”ので、単純に、スタッフさんの教育が不十分であることが原因というのがわかり、”スタッフさんの接客が悪い美容室”というように、ネガティブな印象に変わりました。
どんなに面白い仕掛けを設置していたとしても、その仕掛けを台無しにするような仕事が行われていたら、仕掛けがどんなに素晴らしくても、その効果を発揮できません。
あなたのビジネスにおいても、仕掛け以前のところで躓いていたりしていませんか?もし、仕掛けがイマイチ機能していないと感じるのであれば、是非、そういった点を確認することをオススメいたします。
今回は以上です。
面白い!と思った方は、是非、取り組んでみてください。
P.S.
サービス業なのに接客が不十分というのは、絶望的にアウトです。お客さまに不快を与えるような接客では、もう一度利用してもらえる可能性が、限りなく低くなってしまいますからね。
サービス業なら、接客は必須注力項目ですよ。