イギリスの美容室で”おしゃべり禁止席”が大人気らしいです。
普通に考えれば美容室が、”お客さんと会話をしない”なんてことはあり得ないことです。ですが、「髪は切りたいけれど、美容師さんとのおしゃべりは苦手」と感じているお客さんに目を向けたことで、この”人気席”が生まれたようです。
まさに、顧客情報を収益に変えた好例ですね。
私は顧客情報に関しては、氏名や住所などの連絡先だけではなく、趣味・嗜好や考え方など、ありとあらゆる情報を収集することを強くおすすめしています。
その理由は、そういった集めたお客さんの情報が、商品やサービスのヒントになるからです。一見、本業とは関係の内容なお客さまの情報であったとしても、その情報をもったお客さまが複数人いたら、それは新たな価値を産み出すチャンスです。
冒頭の美容室の場合、
・ストレス社会なので、誰でも時には人と話したくない気分の時もある。
・美容師がそんなお客さんの気もちを察してしゃべらないでいると、お客さんの方が、「おしゃべりしないと悪いかな」と気を遣ってしまうことがある。
という、お客さまが複数人いたことに目を付けたことで、「おしゃべり禁止席」が誕生しています。
新しい事に挑戦する際のコツとは?
このおしゃべり禁止席サービスは、おそらく、日本でもそのまま導入すれば、評価を得られるサービスです。
「髪は切りたいけど、美容師さんとのコミュニケーションが面倒・・・」と思っている方が、日本でも一定数いると思いますし、普段忙しい方にとっては、「せっかくのまとまった時間なので、じっくりと雑誌を読みたい。」と思っている方もいることが安易に想像できるからです。
ただ、注意してほしいのは、いきなり”全席おしゃべり禁止席”なんて打ち出し方は絶対にやってはダメということです。(まぁ、誰もやらないと思いますけど。)
こういった新しい事に挑戦する際のコツは、小さくテストすることです。
小さなテストを繰り返し、上手くいく確率を高めてから、一気に拡大するというのが小さな会社のセオリーです。
おしゃべり禁止席の例でいうと、まずは、とりあえず1席だけその席を作って、完全予約制にし、その予約状況を見て、席を何席に増やすかを検討するのが、リスクを抑えたやり方ですね。
現時点においては、日本でそれをウリにしている美容室は無いと思いますので、私が美容室関係者だったら、”おしゃべり禁止席”を設けると同時に、各種メディアにプレスリリースを送ります。他でやっていない面白いことなので、取り上げられる可能性が高いですし、もしメディアに取り上げてもらえれば、一気に注目度を高めることができますからね。
常識の逆を突く発想とは?
この”おしゃべり禁止席”というのは、業界の逆を突く発想です。
美容室なのに、あえて、「お客さまとコミュニケーションを取らない」というのは、あり得ない選択ですよね?そういうあり得ない選択をうまく突くことができれば、ヒット商品を生みだすことができます。
その理由は、”あり得ない”といことは、他社はやらないので、必然的に「オンリーワン」になるからです。
もちろん、何でも逆を突けばよいというわけではなく、一定数の顧客ニーズがあることが前提です。その一定数の顧客ニーズを知るために、様々なお客さまの情報を収集しておくことが重要なのです。
顧客情報を収益に変えるというのは、そういう隠れた顧客ニーズを商品化することで、新たな収益に繋げることを意味しています。
あなたも、常識の逆を突く選択をしてみませんか?あなたの業界の常識をリストアップし、その反対を突くことができないかをチェックしてみてはいかがでしょうか?
今回は以上です。
面白いと思った方は、是非、取り組んでみてください。
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