「 10分どん兵衛 」を知っていますか?「どん兵衛」というのは、カップ麺のことです。
公式の作り方(カップ麺に記載されているもの)では「お湯を注いでから5分後にお召し上がりください。」としているのものを、さらに5分待って計10分待つことによって、さらに美味しくなるという、どん兵衛の新たな作り方(食べ方)です。
実は、この情報は、俳優のマキタスポーツさんがラジオ番組で話したことがきっかけだったそうですが、それを聞いたリスナーが実際に試し、「旨い!」という人が続出し、ネット上で「10分どん兵衛が上手いらしい」という情報が拡散されたようです。
通常のカップ麺の場合、お湯を注いでから3分や5分という指定の時間を過ぎてしまうと、麺が伸びてしまい、食感などが落ちてしまうのですが、どん兵衛の場合は、”おいしくなる”というのですから、本当かどうか、興味を持ってしまいますよね。
日清食品の対応 が スバラシイ! & 面白い! | 10分どん兵衛
そんな「10分どん兵衛」という”新しい食べ方”の口コミを受けて、発売元の日清食品は、素晴らしい対応を取りました。
なんと、どん兵衛の公式サイトで「おわび」をしたのです。面白いので、その”お詫び”文を紹介します。
おわび
日清食品は10分どん兵衛のことを知りませんでした。
5分でお客さまに おいしさを届けるということに縛られすぎていて世の中の多様性を見抜けていなかったことを深く反省しております。
重ね重ねおわびするとともにマキタスポーツさんに感謝申し上げます。
おかげさまで売れています。
ありがとうございます。
日清食品株式会社
※画像・おわび文は、「日清食品はなぜ10分どん兵衛を作らなかったのか」より。
どうですか?
発売元の日清食品という大手企業が、”10分どん兵衛という食べ方を知らなかった”ということを素直に「おわび」するというのは、面白いPR法ですよね?
「日清食品は、10分どん兵衛のことを知らなかった」ということを逆手にとって、更なる口コミを生みだそうとし、実際に、日清食品が”おわび文”を公式サイトに掲載したことで、その情報も拡散され、更なる口コミを生みだすことに成功しています。
このように、偶然発生した事象を、自社の利益に変えようとする柔軟な姿勢は、小さな会社は見習うべきです。
小さな会社 が 見習うべき はココ! | 10分どん兵衛 の対応
この”10分どん兵衛”に関する日清食品の対応の中で、小さな会社が特に、見習うべきポイントがあります。
それは、迅速に特設サイトを作成したという点です。
”10分どん兵衛”の口コミが広がったことに気づいた日清食品は、割と早い段階で、どん兵衛公式サイトの中に、「日清はなぜ10分どん兵衛を作らなかったのか」というページを作り公開しています。
しかも、10分どん兵衛の創始者(?)のマキタスポーツさんとの対談した内容まで載せています。客観的にみれば、カップ麺の待ち時間を5分伸ばしたダケのことなのに、「ものすごい新発見がありました!」みたいなテイストで真面目に対談をしてサイトを作っている点が、遊び心があっていいですよね。
これに関して誤解して欲しくないのは、「大企業だから出来ること」ではないということです。というか、本来なら、スピード感をもってアウトプットできる小さな会社の得意分野なハズということです。
新しい商品やサービスを取り扱う時には、そのタイミングに合わせてその情報を、WEBサイトに公開するというのは、企業規模に関係なく同じことですよね?
もし、あなたの商品やサービスが口コミされていた時に、その口コミを見て、「もっと広がれ!」とニヤニヤしながら思うだけでは、口コミの拡散を加速させることは難しいです。
大事なのは、その口コミ情報をみて、その情報をさらに拡散させるために、さらに口コミを加速させるような特設サイトを作るということです。その効果は、日清食品さんが実証してくれています。
ですから、口コミが広がりつつある段階で、いかに早く、特設サイトを作ることができるか?ということが勝負になってきます。
10分どん兵衛 特設サイト の公開スピードは?
ちなみに、”10分どん兵衛”の場合、マキタスポーツさんがラジオ番組で「10分どん兵衛」という食べ方を紹介したのが、2015年10月18日。
その約1カ月後の11月15日の放送では、10分どん兵衛の反響がスゴイということをリスナーの実証報告などを含めてた内容を放送し、Twitterでハッシュタグが出来ていることを紹介。(※TBS RADIO TBSラジオ 東京ポッド許可局より)
それから約1カ月後の12月14日に、日清食品は、マキタスポーツさんと対談。そして、(正確な公開日時は確認できていませんが、)4日後の18日には、”10分どん兵衛”の特設サイトを一般公開しています。
この特設サイトを一般公開するまでのスピード感に、注目です。
日清食品がどのタイミングで「10分どん兵衛」の存在を知ったのかは不明ですが、マキタスポーツさんと対談して、その4日後には特設サイトを公開しています。
これを実現するためには、対談前には、ベースとなるサイトの構成は作っていると思いますし、紹介した、秀逸な”おわび文”も作成しているはずです。
小さな会社は、この特設サイトを公開するまでのスピード感を、見習うことをオススメします。もともと、スピード感という意味では、承認権限が何層もある大企業よりも、小さな会社の方が有利なハズですからね。
10分どん兵衛の事例 を整理
最後に、10分どん兵衛に関する情報を整理します。ポイントは2つあります。
一つは、ファンの情報が口コミを発生させるということです。
”ファン客”の定義というのは、いろいろあるのですが、その一つに、次のようなものがあります。
ファン客とは、新しいお客さまを連れてくる人のである。
まさに、今回の10分どん兵衛の口コミはそうですよね。どん兵衛ファンのマキタスポーツさんの情報によって、多くの方が”10分どん兵衛”を試すために、どん兵衛を購入してくれていますからね。
そして、その実証報告が、さらに多くの口コミを生み、さらに多くの人の購入に繋がっています。
ポイントの2つ目は、日清食品がその”10分どん兵衛”という情報を活用し、更に口コミを拡散させることに成功したということです。
10分どん兵衛という食べ方を知った日清食品が、公式サイトで「その食べ方を知らなかった」という”おわび文”を掲載したことで、「10分どん兵衛に、日清食品がおわびした!」というように、新たな口コミの誘発に成功しています。
この”10分どん兵衛”の事例を、あなたのビジネスに取り入れることはできませんか?
ぜひ、考えてみてください。
今回は以上です。
P.S.
昨年の年越しに、”年越しそば”の代わりに”10分どん兵衛”を食べようと思ったのですが、間違って「緑のたぬき」(マルちゃん)を買ってしまいました・・・。
結局、私が10分どん兵衛を体験したのは、年が明けてからになりました。
どちらも、おいしかったですよ。
まだ、試していないという方は、是非、10分どん兵衛をお試しください。