ブルーボトルコーヒーが日本に上陸し、オープン初日には待ち時間2時間半の行列を生み出したらしいです。なぜ、人はブルーボトルに並ぶのか?その見解をJIJICOの記事として書きました。⇒ なぜ人は1杯の「ブルーボトル」に2時間半も並ぶのか?
「コーヒー界のアップル」と比喩されているアメリカのコーヒーチェーン店のブルーボトルコーヒーですが、じつは創業者が日本の喫茶店にインスピレーションを受けて創業したというので、ある意味、ブルーボトルのルーツは日本の喫茶店にあるのかもしれません。
ではなぜ、どちらも「美味しいコーヒー」を提供しているにも関わらず、ブルーボトルには行列ができるのに喫茶店には行列ができないのでしょうか?
理由① ストーリー
ブルーボトルコーヒーの創業者であるフリーマン氏は、元フリーのクラリネット奏者。奏者としての道を諦めたときに、もう一つの情熱であったのがコーヒーでした。彼は「本当においしいコーヒーを作ろう」と思い、自宅のガレージで始めたのがブルーボトルコーヒーの始まりです。
これは、ブルーボトルコーヒーのストーリーです。このストーリーによって、「ブルーボトルコーヒー = おいしいコーヒーを提供する」というイメージを見事に作っていますし、「何かに挫折した人が、新しい何かに挑戦する」というストーリーは、思わず応援したくなる感情を刺激します。(これはストーリーづくりの一つのポイントです。)
では、喫茶店のストーリーはというと、公開されていないところが多く、良くわかりません。
理由② おいしいコーヒーへのこだわり
ブルーボトルは美味しいコーヒーを提供するために、さまざまなことにこだわっています。例えば、美味しいコーヒー豆を生産している生産者をサポートするフェアトレードという取引方法にこだわったり、自身で買い付けに行くこと、オーガニックで新鮮な豆を自家焙煎し、焙煎後48時間以内のものしか提供しないというこだわりを持っています。ここまでなら、同じようにこだわっている喫茶店も多いですよね?
では、喫茶店とブルーボトルとでは何が違うのでしょうか?それは、こだわっているのは”豆”だけではないということです。
例えば、お店の作り方や、コーヒーを提供するまでのコーヒーの魅せ方や、提供の仕方といった、コーヒーの価値を高めるための、細部にわたるこだわりが存在します。コーヒーの香りを楽しんでもらうために、完全禁煙にしている点もそうですよね。
残念ながら昔ながらの喫茶店の場合、美味しいコーヒーを作ることにはこだわっていますが、その他の部分のこだわりがイマイチ伝わりません。
理由③ 戦略
この理由が最大の違いだと思いますが、マーケティング的な戦略に大きく差があります。
ブルーボトルコーヒーのストーリーやこだわりが広く伝わっているのは、それを戦略的に広めているからです。その結果、グーグルやツイッターの創業者も投資するようになり、さらに注目されるシカケづくりに取り組めたことが大きいと思います。それがなければ、日本の喫茶店と同じように、「知る人ぞ知る名店」で留まっていたかもしれません。
ということは、日本の喫茶店も戦略的なマーケティング活動を行うことで、行列を生み出すことは可能ということでもあります。
多くの喫茶店は、ストーリーを持っているし、美味しいコーヒーを提供するこだわりも持っていると思います。ただ、それを広めるための方法を知らなかっただけです。
これからも、日本各地でブルーボトル旋風が巻き起こると思いますが、それを指をくわえてみているのではなく、その仕掛けや成功要因を取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか?
今回は以上です。
面白いと思った方は、是非、取組んでみてください。
P.S.
ブルーボトルのように、いきなり長蛇の列を作ることは難しいかもしれませんが、リピーターを増やして常連客でにぎわう店づくりを目指しませんか?⇒ お客さまに指名買いされる方法
Tag: JIJICO 仕掛け