■お客様に質問し、楽しみのイメージを連想させる
営業担当者のほとんどは、
次のどちらかの商品を取り扱っていると思います。
それは、
「必要」な商品か、
「欲しい」と思える商品です。
「必要」な商品であれば、
お客様は嫌でも買わなければなりませんので、
お客様への提案やクロージングは多少下手でも
安定した売り上げを上げることがでていると思います。
それに対し「欲しい」と思える商品の場合は、
お客様が「欲しい!」と思わない限り買ってはくれませんので、
なかなか安定した売上を上げるのは難しいと思います。
例えば税理士のお客様であった場合、
会計ソフトは「必要」な商品ですが、
手に付けている高級な腕時計は「欲しい」と思える商品です。
そして身に付けている高級なバッグや高級車も「欲しい」と思える商品です。
会計ソフトを導入していない時にタイミングよく営業マンがやってきたら、
購入してくれる確率が高くなりますが、
高級な時計や車に関してはどんなに上手なプレゼンを行っても、
好みと違っていては、興味を持ってくれませんので絶対に買ってくれません。
この例からもわかるように、
営業担当者の多くは、「欲しい」と思える商品を取り扱っているため、
なかなか安定した売上げを出すことが出来ずに苦労しているのです。
「欲しい」と思える商品の大変なところは、
お客様が「欲しい!」と思わない限り、絶対に買ってくれない
というところにあります。
ですので、「欲しい」と思える商品を売るためには、
お客様の心理を「欲しい!」に導く必要があるのです。
■売上のカギはコミュニケーション力
そのお客様の心理を、
「欲しい!」に導くために、
営業担当者はお客様とコミュニケーションを取っているのです。
そしてお客様とのコミュニケーションは、ほとんど会話で行っています。
この会話の内容によって、
お客様の心理を「欲しい!」に導けるかどうかが分かれるということです。
例えば、時計を見にきたお客様と話をする際に、
「そのロレックス、かっこいいですよね!
これは○○モデルなのでオススメです!」
という会話をするのか、
「そのロレックス、実は○○(芸能人)さんもつけているらしいですよ。
やっぱりロレックス身につける人のかっこよさは違いますよね?」
という会話をするのか。
一見どちらも、
「ロレックスってかっこいいです」
というような会話をしているようですが、
後者の例ではお客様が
「ロレックスを身につけることで、○○(芸能人)さんのように、
他人からかっこいいと思われたい」
というようなイメージをするように導いています。
ロレックスのような高級時計を身につける人の多くは、
「他人から良く思われたい」という感情を持っている人が多いです。
(もちろん、単純にロレックスが好きという気持ちもあると思います。)
この「良く思われたい」という感情が、「欲しい!」と思える原点でもあります。
お客様の心理を「欲しい!」に導くためには、
この感情をくすぐる質問をすると効果が絶大です。
言い換えると、
その商品を購入することで、今までの自分と何がどう変わるのかを、
お客様に明確にイメージさせる質問をすることが効果的なのです。
これが愉しみ作りというものです。
「ロレックスをさらっと身に付けている自分・・・なんかいい感じだ♪」
と思ったとたんに愉しく(=欲しく)なってきます。
気を付けなければいけないのは、
場合によってはストレートすぎる表現をしてはいけないということです。
たとえば、
「ロレックスを身につけていると、キャバクラで女の子にモテるらしいですよ!」
なんて言ってしまうと、たとえ本心ではそう望んでいても、
「いや、私はそういう人ではないですから・・」
というように、逃げてしまいます。
本心の部分はお客様が心の中で勝手にイメージすることが重要なのです。
■「買ってください」と言わない営業
営業担当者に「絶対いいから買ってください」と言われて買ったものと、
自分で「欲しい!」と判断して買ったものでは、
その後の満足度は全然違います。
お客様とのコミュニケーションにおいて、
お客様の未来をイメージできる質問をすることがとても大切です。
そして、
質問のポイントは、お客様が具体的にイメージし、
答えられるような質問でなければいけない
ということです。
具体的にイメージし、自分の判断で回答することで、
それを手に入れいた自分のイメージを
自ら膨らませるように導かれるような質問をすることが、
営業担当者がお客さまとのコミュニケーションを取る際に
とても大切なのです。
愉しみ作りは、そのイメージさせるためにとても効果的です。
お客様がその商品やサービスを購入・利用することで
どんな愉しみという価値を得ることができるのか?を
ピンポイントに伝えることが出来れば、
「欲しい!」という気持ちを刺激することが出来るです。
愉しみ作りの必要性をなんとなくでも感じて頂ければ幸いです。
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