集客コスト というのは、広告を出稿しているビジネスオーナーであれば、知って損しない指標の一つです。
なぜなら、広告の費用対効果を判断する基準となるため、効果の出ない広告に、ムダにお金をかけなくて済むようになるからです。
とくに、まだ資金が少ないスモールビジネスの場合、毎月の高額な広告費って、経営の圧迫にもなりますし、ウソみたいな話ですが、広告費が原因で閉店する開業者もいるくらいです。
なので、広告を出稿する予定のある方は、集客コストの考え方について、知って損はありません。
というか、知らないで広告を出すのは無謀です。
集客コストについて「知識がない」という方は、無謀な選択をしないように、最後まで読むことをオススメします。
1人 集客する のに いくらかけてる のか 知って いますか?
集客コストとは 、広告費にいくら使っているのか?というざっくりしたものではなく、お客さま1人を集めるために、いくらかかったのか?を示す金額です。
この集客コストを把握するメリットは色々ありますが、スモールビジネスをやっている方にとっては、次の3つのメリットが、特に影響が大きいと言えます。
①広告媒体を評価することができる
②儲けを出すための必要売上がわかる
③顧客管理への意識が高まる
なんとなくわかるかとは思いますが、それぞれについて、もう少し詳しく紹介していきます。
広告媒体 の 費用対効果 は? | 集客コスト のメリット
集客コストを把握するメリット①の「広告媒体を評価することができる」というのは、
出稿している広告媒体について、費用対効果があるかどうか?を集客結果から導き出すことができる
ということです。
例えば、ホットペッパーのようなフリーペーパー広告に15万円かけて広告を出稿し、5人集客することに成功したとします。
その場合、一人当たりの集客コストは次のように算出できます。
15万円 ÷ 5人 = 3万円/人
これは、1人集めるのに3万円のコストがかかった(=集客コストは3万円/人)ということを表します。
複数の広告に出稿している場合、この集客コストを比較することで、どの広告媒体がもっとも費用対効果が良い広告なのか?を判断することができます。
言い換えると、どの広告媒体が、もっとも集客コストが安いのか?を知ることができるってことです。
これがわかれば、費用対効果のよくない広告媒体を”利用し続ける”という、無駄な広告費を出費しなくてすみますからね。
ではさっそく、先月の集客コストを算出してみてください。
その際の前提条件としては、「広告文面は同じである」ってことが比較するうえでの前提になりますので、その点もご注意ください。
それから、ものすごく大事な注意点があります。
それは、
「安かろう悪かろう」な 費用対効果 重視の 広告媒体 選定 はダメ
ってことです。
集客コストの比較だけで、広告媒体の選定をしてはいけないということです。
どういうことかというと、「安かろう、悪かろう」では意味がないってことです。
つまり、集客コストが安くても、集客できたお客さまがお金を落とさない人であったり、クレーマー気質だったり、あなたにとって苦手なタイプの人だったりというような、「理想の見込客」からかけ離れた人ばかりが集まってくる広告媒体なら、選んではダメってことです。
集客コストを比較しての費用対効果を知ることはとても大事なことですが、それが必ずしも、広告媒体選定の判断基準になるわけではないので、安易に集客コストがおトクな広告媒体を選んではいけないということですね。
※補足
理想の顧客からかけ離れたお客さまを集客してしまう場合、広告媒体よりも、出稿した広告内容を真っ先に疑ってください。
なぜなら、そういうお客さまが思わず反応してしまうような言葉や表現を使っていることが考えられるからです。
では、どうしたらいいのか?というと、上記した、3つのメリットを総合的に考慮して判断することです。
ですから、短期間で判断するってのは正直難しいです。
「どうしても短期間で広告媒体を選定したい」というのであれば、とりあえずは費用対効果重視で選定し、その結果を長期間計測することによって、「後から判断する」しかないですね。
あとは、すでにその媒体に広告出稿している同業他社に聞いてみるというのも大事です。
儲けを出す ための 売上 はいくら? | 集客コストと儲けの関係
集客コストを把握するメリット②の「儲けを出すための必要売上がわかる」というのは、
一人当たり、いくら使ってくれたら儲けが出るのか?を概算でわかる
ということです。
ここでいう「儲け」というのは、会計上の粗利益や営業利益、経常利益というようなものではなく、「集客コストを上回る儲けを出すには、いくら買ってもらえばいいのか?」ということを意味します。
例えば、15万円の広告費で5人集客できた場合の集客コストは、3万円/1人になります。
この場合、集客コストを上回る儲けを出すためには、一人あたり3万1円以上の商品やサービスを買ってもらう必要があるということがわかります。
これはシンプルでわかりやすいですよね?
初回利用者 の 購入金額 はいくら? | 新規顧客 の 平均購入金額
集客コストを把握するメリット③の「顧客管理への意識が高まる」についてですが、それを”直”に感じてもらうために、次の質問について、考えてみてください。
質問:あなたが広告で集客してきた初めてのお客さまは、平均して、いくらの商品やサービスを購入していますか?
これ、結構大事なデータですので、「たぶん、いくらくらいです」というような憶測ではなく、帳簿や購買履歴を引っ張り出してきて、電卓を叩くなり、エクセルにまとめ直すなりして、正確なデータを出してください。
ここの数値管理がテキトウだと、売上ロスやビジネスモデルの崩壊へのきっかけになることもあるので、必ず、正確な・・というか、計算して明確にしてくださいね。
ちなみにですが、平均の出し方は次の方法で求められます。
初回利用者の購入金額合計 ÷ 初回利用者の人数 = 初回利用者の平均購入金額
初回利用者が高確率で使用するクーポンメニューのようなものがあるのであれば、計算せずにそのメニューの金額を使用してもOKです。
儲けを出す ために リピート が 必要 | 集客コストと 儲け の関係
初回利用者の平均購入額が明確になったところで、その金額を集客コストと比べて見てください。おそらく、
集客コスト > 初回利用者の平均購入額
という結果になったと思います。
いいかえると、”集客コストの金額の方が高い”ということです。
これが何を表しているのか?というと、例えば集客コストが3万円だったのに対し、初回平均購入額が1万円という場合、1人あたり2万円のマイナスになります。
上記の例でいうなら、5人×マイナス2万円=マイナス10万円になります。
これは、集客コスト云々というと、ちょっと小難しいと思うかもしれませんが、簡単な話にするなら、広告費15万円なのに対し、5人×1万円の売上では、全然広告費(集客コスト)を回収できていないってことです。
もし、1年間同じ広告で、必ず同じ人数を集客できるとしたら、−10万円×12ヶ月で、120万円の損失になります。
ただし、この計算は、新規客の初回売上と広告費を比較したものですから、既存客の売上や、新規客の2回目、3回目の利用による売上は全く考慮していません。
ですから、初回利用金額よりも、集客コストの方が高いというのは、ヤバイことではなく、ごく普通に起きていることですので、ご安心ください(笑)
ですから、上記の例の場合、広告費を回収するためには、あと2回、合計3回利用していただければ、
1万円(初回) + 1万円(2回目) + 1万円(3回目) = 3万円
となり、集客コスト(3万円)と同額になるので集客コストを回収できて、4回目の利用から、儲けに加算されるようになるということです。
つまり、広告で集めたお客さまに繰り返し利用してもらうことを軽視し、1回しか利用してもらえない新規客を一生懸命集めても、損失が増えていくだけということです。
集客コストがわかると、
その人の広告費を回収して儲けを出すためには、いくら買ってもらう必要があるのか?
がわかり、
そのためには、いくらの商品を何回買ってもらえばいいのか?
もわかります。
つまり、集客コストを把握するメリット③の「顧客管理への意識が高まる」というのは、
リピートしてもらう必要性に気づき、1回しか利用しないお客さんを作らないように、お客さんの利用状況を意識するようになる
ということです。変に言いなさずに、シンプルに「顧客管理への意識が高まる」で済みますね・・・。
ちょっと長くなりましたが、
①広告媒体を評価することができる
②儲けを出すための必要売上がわかる
③顧客管理への意識が高まる
というメリットがあるので、集客コストを把握して広告は出すようにしましょうね?ってことをお伝えしました。
すでに広告を出稿している方、これから広告を出稿しようと考えているかたは、ぜひ、参考にしてみてください。
P.S.
余談ですが、「リピーターを増やすのが大事です」といっても、そんなことは言われなくてもわかっていることなので全然響きませんが、集客コストのことを伝えた上で、「だから、リピーターを増やすのが大事です」というと、姿勢を正して「ですね!」と納得してもらえます。
やっぱり、「損する」というリスクは、人の行動に影響しますね。